製造業で働いている人にとって、IoTの導入は常に考えている事の一つだと思います。
IoTを導入すると、人が付加価値の仕事をするのを手助けしてくれます。
例えば、データの読み取り作業や入力作業を自動で出来るようになれば、その浮いた時間で別の価値ある作業をすることが可能です。
また、IoTの得意な事はデータ採取なので、データを自動で取ってくれ「設備の今の状態(現状)」を常に監視することが出来ます。
カイゼンって、目標と現状のギャップを埋める事なので、この現状を常に分かる状態にしてくれるのは非常に嬉しいことになります。
IoT導入のハードル
と、IoTのいい事を書いてきましたが、おそらくみなさんこんな気持じゃないでしょうか?
「メリットは分かってる、でも導入が難しいんだよ!!」
本当に分かります。
僕の工場でも同じで絶対良くなるのは分かってるけど、導入するのにハードルが多すぎて、全然進んでいません。
よくある導入のハードルは下記の点だと思います。
・昭和の古い機械には取り付けられない*
・市販の危機では、本当に欲しいデータが採取できない
・多くの部署が関わるため、なかなか進まない
僕は古い機械を持っている事は悪い事ではないと思っています。むしろ素晴らしい状態です。
古い機械は減価償却も過ぎていてコストをかけずに生産(利益)に貢献出来るのってホントいい事だと思います。
あとは、どのように活用するかだけ!
対策の1歩目は「自作」
では、どうすればいいのか。
それは、「自分たちで作る」です。
具体的には、ラズベリーパイやKEYENCEのロガーを用いて、とりあえず信号だけを取れる状態にするのです。
信号が取れる様になれば、現状把握は一気に進みます。
もちろんこれらを使い始める技術は必要になりますが、大掛かりな工事は不要で、最初の1歩目が簡単になります。
この「自作」のメリットとしては下記があります。
何か不具合を見つけたら、その場で対策を行うべきです。
なのに、対策を行うのが他の部署だったり業者だったりすると、対策は遅れる、コストもかかるという状態になってしまいます。
そのため、自分たちで出来る状態にしておくのは、導入後の動きを早くするという点においても大切になってきます。
ラズベリーパイというのは、簡単に言うと小さなパソコンです。
設備とは独立した存在で、信号の受信とその記録が出来ますので、設備改造なく導入する事が出来ます。
電子工作のような感じで使えるものです。
下記の本などが参考になると思います(電子工作の雑誌などにも出てくる)。
やりたい事はあるのか!?
ここまで、IoTの導入について書いてきましたが、本当はそれよりも大切な事があります。
それは、「何をやりたいのか?どうなりたいのか?」を明確にすることです。
つまり、IoTの導入はあくまでも手段であって、目的・目標は別にないといけません。
技術は何かを達成するための方法であって、目的ではありません。
「流行りに乗って最新の技術を導入しよう!」にならないように。
これはムダです。
と、いっても僕の会社も含めて多くの現場では同じ事が起きていると思います。
これからの社会がどうなるか、明確には言えませんが、僕が重要になると感じているスキルがあります。
それは、「未来を創造する力」です。
どんな世界にしたいのか、これを明確に描けるスキルが必要です。
というのは、今の世の中やりたい事はほとんど実現できます(モノもお金も余っている時代)。
その中で、どうやるかではなく、何をやるのかが非常に大切になります。
少し脱線してしまいましたが、みなさんが工場・会社で困っている事に対して、
まずどうしたいのかを考え、そこにIoTが必要であれば上述した様なやり方で解決してみてください。
参考図書:Small Factory 4.0
今回参考にさせて頂いたのはこちらの本になります。
町工場にIoTを導入して、最後にはIoTサービスを提供するまでになったお話が書かれています。
非常に参考になりました(レベルが高くて真似できない所もありますが)。
なんと言っても、何もない所から始めて、こんなに活用する事が出来るんだと驚きました。
これから何か技術を導入して課題を解決しようと思っている方にはおすすめな本です。